第1章 焦がれるは…
「………」
「あや、クッション離せ」
あれから片付けを済ませてから寝て日をまたぐと、あの蕩けた状態から現実に戻ったあやはまたまんじゅうクッションを抱き締めて顔を隠していた。服は着替えさせたからいつもの部屋着ワンピース姿だ。
「恥ずかしすぎて無理…」
「もう互いに恥ずかしいところ見尽くしたろ」
「それでも…」
まだマシなのは返事をしてくれることか。
俺はあやの後ろから抱きしめるようにした。長い髪から見える耳が赤くなっていた。
「あんなに求めてくれて嬉しかったぞ」
「……」
「ベビードールもエロかったしよ」
「……」
「今日と明日まとめて休みとってくれたんだろ? それで仕事遅くまでしてたんだろ」
「……最近あんまりお話も出来なかったから…我儘なだけだもん…昨日も我儘だったし…」
そんな我儘、いつだって聞いてやるのに…
というか、俺にとっては嬉しいことだらけなんだが。
「そんなことねぇよ。むしろしばらく話すことも出来てなかったしよ。ありがたかった」
「……」
「あやが愛してくれてんのも改めて実感したしな」
「え…?」
ようやく顔を上げて振り向いたあやは豆鉄砲を食らったみたいな顔をしていて、俺はあやにキスをした。唇の感触を味わうようにゆっくりキスした。
「いつも仕事忙しいのに家事頑張ってくれてありがとな。でも、いまは俺と一緒に休もうな?」