第11章 しっぽりしたら
多分他の夫婦は滅多にしないと思うが、割と家は夫婦で風呂に入っている方だ。
というのも、あやがよく俺を仕事の練習台を兼ねて髪を洗おうとするからに他ならない。結婚当初は恥ずかしがってそういうのもなかったが、段々一緒に風呂に入ることに慣れたからかそうすることが時間さえ合えばするようになってたのだ。役得だ。
「今日もお疲れ様です」
「あやもお疲れ様……疲れてんのにいいのかよ、これ」
「私も練習になるし大丈夫だよ」
今日も帰りの時間が上手く噛み合って、一緒に飯を済ませて風呂に入れてる訳だ。大体先に俺が洗われることが多い。まあ、俺があやの身体洗ったら食っちまいそうだしな。
「痛いところない?」
「大丈夫だぞ」
あやはいつも丁寧にしてくれるし、凝りのポイントもわかってるみたいですごく気持ちいい。疲れがやばい時なんかは寝てしまうくらいに気持ちいい。こんな可愛い嫁さんが仕事の練習とはいえ、自分のためにしてくれるってのはありがたいもんだ。
「シャンプー流すね」
シャンプーを流してからは身体のマッサージしつつ洗ってくれるって感じだな。ただし、あやはこういう時大抵エロいこと考えてないから安心して身を委ねてしまう。
「紅郎くん、肩凝ってるけどお仕事忙しい?」
「そうか? 衣装の仕事はあるけど日はまだあるから大丈夫だぞ」
「仕事が楽しいのもいいけど、ほどほどにね」
「わかってるよ」
綺麗にしてもらってシャワーを浴びたらいつもなら先に湯船に浸かってあやを眺めてるんだが、やはり惚れた女の裸というのはいつになっても興奮してしまうのは男の性でもある。
「今日は俺も洗う」
「へ?」
「まあ、一旦座れって」
膝の上に乗せて、シャンプーで長い髪を洗ってる間、向かいの鏡から見れるあやはシャンプーが入らないように目を瞑っていた。少し悪戯心が湧いた俺はシャワーでシャンプーを流すとそのまま身体を弄り出した。もちろん、手にボディソープを付けてだ 。
「んっ、ん…」
あやも気づいたのか身体が反応し出した。薄く瞳を開けて恥ずかしそうに顔を赤くしている。たまらなく興奮してしまう。身体のラインに沿って手のひらで洗っていくたびにびくびくと震えていた。
「ん…はぁ…あ…」