第5章 夏といえば
今日のあやはいつにも増して更に色っぽくて綺麗で魅力的だった。それにいつも恥ずかしがっているのに、今日はどちらかというと雄弁であり更に妖艶な方だった。
「流石に洗わないとダメだな」
あやがイキ疲れて、そのまま気を失ってしまってから浴衣を脱がせた。浴衣はあやの愛液と俺の精液で汚れてしまっている。
俺が作ったものをあやが着たのはこれが最初だった。服を作ってやることはこれまでなくて、今回ようやく作ってやることが出来た。自分が作ったものを愛しい嫁さんが着て欲情しない奴はいないだろう。
しかも、普段髪を下ろしているのを上げるものだから普段髪越しで見ていたうなじが丸見えで、襟元まで続くラインに色気を感じた。
「たしかに、やっちまった後に仕事で着るのは後ろめたいよな…」
最初に着てもらった浴衣の時点で欲情しちまったのを見抜かれてしまい、出すか迷った2着目を出すことになったわけだ。2着目の柄を呉服屋で見た瞬間着させたいと思って即決で買ってしまったからあやにどう言うか迷っていたからむしろよかった。
「また服作ったら着てくれるか?」
あやは小柄だが、胸が大きいからなかなかこれという服を探すのに苦労しているようだから作ってやるのもありかもしれない。
俺も仕事で紅月や受注で衣装を作っているが、少し骨休めというか息抜きに別のものを作るのはいいだろう。今回の浴衣もあやの着る姿が楽しみで作っていたら蓮巳や神崎から何かいいことがあったのか聞かれたくらいだ。
「どうせなら自慢してぇな…」
他の奴らに見せるのは嫌だが、でも、うちの嫁さんが綺麗だというのも自慢したいのも本心だった。朝起きたら聞いてみようか…
色々考えながら片付けや着替えを済ませて、あやを寝かせている布団に潜って抱きしめて寝た。
「おい、鬼龍」
「どうした?」
「貴様、安易にSNSで嫁の自慢をするな」
「いきなりなんだよ?」
「見てないのか? 貴様が嫁に作った浴衣が話題になっているぞ」
「は?」
後日、後ろ姿だけ撮らせてもらってSNSで嫁さんに浴衣を作ったことを自慢したら、ネットで俺の作った浴衣を着た嫁さんが綺麗だと話題になったということだった。
ちなみに当人はというと…
「そうなの?」
「そうなってるんだとよ」
現実味がなくて首を傾げていた。