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【R18】ドロップス【幸村精市】

第9章 番外編︰どっちが好み?※R18



「名前、来週の日曜日…良かったら俺の家来ないかい?」

 事の発端は幸村精市のそんな言葉からだった。
 幸村と名前が付き合いはじめて1ヵ月程が経った8月の初旬。夏休みになって間もなく、幸村からそんなお家デートのお誘いがあったのだ。
 呑気な名前は、幸村の家にお邪魔する!という事で純粋に楽しみで、それをそのまま朋子にLINEで伝えると、何故か"明日買い物に行こう"とメッセージがかえってきた。
 何故買い物?と首を傾げた名前であったが、行こうというのならそれに付き合わない理由はないので、分かった!行こう!、と返事をしておいた。



 そして翌日、13時。待ち合わせ場所である大型ショッピングモールに来て早々、そこに居た人物に名前は目をしぱしぱと瞬かせた。
 てっきり朋子だけがいるものかと思ったが、待ち合わせ場所には宮野と須野も居た。
 幸村と付き合ってから、須野も朋子や宮野に混じり四人でちょくちょく遊ぶようになっていたのでなんらおかしな点はない、のだが。
 名前は出そうになる溜め息をそっと押し殺し、腕を組み疲れた表情を浮かべている朋子にそっと声を掛けた。

「朋子、お待たせ。……あのさ、なんで宮野さんと真凛険悪な雰囲気?」
「あぁ名前、やっほー。いやーなんか私もよく分かんなくてさぁ…下着の話してたらこうなった」
「下着ぃ?」

 ぽりぽりと頬をかき困惑気味な朋子の言葉に、名前は裏返った間抜けな声を上げた。
 その声に名前が来たことに気がついたのか、須野と宮野は勢いよく名前へと視線をやった。その視線の鋭さに、思わずびくりと体が跳ね上がった。
 
「名前ちゃん!」
「名前!」
「は、はい!」
「名前ちゃんはセクシー派だよね?!」
「何言ってますの!名前はキュート派に決まってますの!セクシーだなんて破廉恥ですの!」
「下着自体が破廉恥みたいなもんだから別に構わないでしょーが!!」

 がるるる、なんて犬の喧嘩のように唸る二人に、名前はしぱしぱと目を瞬かせついていけない。

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