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ロリコン王子(絶倫)をドMに覚醒させようとする悪役令嬢の話

第5章 断じて嫉妬させたかった、嫉妬して欲しかったとかじゃない5


だから私は貴方のものじゃないんだって事を、何回言えば分かるのだろうか。それよりもポッと頬を赤くして私と王子を見ているエミリアの視線を感じて、なんでこうなった?あれ?可笑しくない?なんでまだエミリアの事好きにならないの?と王子とエミリアを交互に見た。

「言っただろう、私は貴女がいいんだよ…エミリアは愛らしい少女だ。だが欲しいのはクリスティーナ、貴女だけなんだ…今更婚約者を変えるつもりはないし、クリスティーナが私と婚約者になりたいと言わない限り婚約を無理強いはしない」
「……本当に変わっていますね」
「ふふ…君の魅力を知っているのは私だけでいいのですよ」

なんか、言いくるめられた気がする。身をよじる私に王子はそっと離してくれた、漸く彼の顔を見ると悲しそうに微笑んでいる。嫉妬させるつもりも嫉妬して欲しかったわけでは全くなかったのに、なんでこんなに傷付いているのだろうか…王子の心が分からなくなる。最後にはエミリアに乗り換えるつもりのくせに、その顔はずるい。

「ごめんなさい…」
「!…クリスティーナ。私はね。これからも君に会いに来るよ?だからいつも通りに接して欲しい」
「やっぱりドM…乱雑に扱いますよ?罵りますよ?」
「罵られるのも案外気持ちがいいんだよ」
「……ヴィッツ様、助けて。この王子こわぃ…」

私が謝ると普段通りの顔でいつも通りのドMな台詞を言う彼にやはり私はゲンナリした。一方的に私に会いに来て贈り物を渡し、帰って行く。それからはもう乙女なエミリアは近くなる距離で私に沢山質問攻めをした。王子とはどうやって出会ったのか、婚約者と言うのは本当なのか、色々聞かれた。

「え、エミリアは誰か好きな人はいないの!?」
「えっ!わ、私…ですか?」
「レオンハルト様とか、どうかしら?」
「やだ!クリスティーナったら、駄目ですよ?王子様は私なんて最初から眼中にありませんでしたし、クリスティーナ一筋なのは見ていて直ぐに分かりましたわ」
「あんなに仲がよろしかったのに?」
「いいえ、私に話し掛けたのはクリスティーナの友人だからですよ?自分では教えてくれない貴女の事を、教えて貰いたかったようで…」
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