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ロリコン王子(絶倫)をドMに覚醒させようとする悪役令嬢の話

第1章 早々王子に逃げられない1


「ぬぉおぉぉー…あぁ誰か。嘘だと言ってくれ」

ただ今、私…クリスティーナ・アメリア・アイリーンはフリルをふんだんに使いあしらった貴族が使う豪華なベッドにゴロゴロと転げ回って悶えていた。まさか、まさか…そんな事があるのか?一流の公爵家で花よ蝶よと父や母は勿論、周りに愛されて順風満帆な人生を送っていたように思う。がしかし。婚約者になるであろう美青少年の麗しい王子を見た瞬間、脳内に様々な記憶が勢い良く蘇って来た。

クリスティーナ・アメリア・アイリーン…年は6歳になり、乙女ゲームでは悪役令嬢にあたる。人気の乙女ゲームでよくありがちな高飛車な意地悪お嬢様であり、ヒロインに嫌がらせをして陥れようとする。そんなキャラクターだ。まぁ…前世で良くある小説のような話しなのだが、いかんせんこの乙女ゲームはR指定である。攻略者全てがド変態で、色んな性癖を持っていたりした。その中でも私の婚約者で紹介された王子は生粋の絶倫体質であり、ヒロインと結ばれれば一日中抱き潰すように抱かれるのだ。それを画面越しから見ていた私は「いいぞ!王子!もっとやれ!きゃー!エロい!ありがとうございます!!」といった客観的なエールを王子に送っていたが、リアルなんて勘弁だ。ヒロインにあげたいくらいである。まぁ…顔は一番好みだけれども。

その事が一気に頭の中に入ってこれば、そのまま王子の顔を見た瞬間私はぶっ倒れた。後から両親と使用人に聞けば一日中うなされていたようでとても心配されたりする。別に放っておいたらヒロインに一目惚れした王子がイチャイチャ(死語)でなにかしら上手くのでは?なんて最初は楽観的に思ったが、私は一流の公爵家の娘である。国の王子に直接縁談を断られ、パッと出の自分より身分の下のヒロインにその座を盗られるなんて事はあってはならないのだ。この世界では男から女へ縁談を断る=その女には結婚する価値がない。と言う妙なレッテルを貼られてしまう。そう。彼が私との縁談を断れば私自身結婚する相手はいなくなるし、なにより一流の公爵家だと言われ続けているのに、その評判はガタ落ち確定。剥奪の危機すらあったりする。だからこそ、なんとか穏便に王子との縁談を白紙に戻し、私の身分と釣り合うような方と結婚しなければいけなかったりした。
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