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残酷で美しき世界の中で

第35章 開口


ライナーは誰かの体を押さえ付けていた

マルコ「ライナー!何を!」

思い出されるのは訓練兵の時起こったトロスト区のことだ

マルコ「うわぁぁぁぁぁぁ!」

そしてその人物は食われるのをベルトルトとアニと見つめていた

ライナー「おい…何で…マルコが…食われて…?」

全てを思い出したのかライナーは静かに口を開いた

ライナー「ああ…そう…だったな…」

ライナーは顔を手で押さえ、泣き出した

エレン「は…?なんだそりゃ…」

ユミル「何となくだが分かった気がするぞ。可笑しいと思ったよ。壁を破壊した奴が命懸けでコニーを助けたりなんてな。自分が矛盾した事やってんのに無自覚だったんだよ。何でそんなことになったんか知らんが、恐らく本来は壁の破壊を目的とする"戦士"だったが"兵士"を演じて生活するうちに、どちらが本来の自分か分からなくなった。いや…もしくは罪の意識に耐えられず心の均衡を保つ為に無意識に自分は壁を守る"兵士"の1人だと逃避し、そう思い込むようになったんだ。その結果心が分裂し記憶の改ざん。話が噛み合わなくなった事も多々あったって様子だな。ベルトルさんの呆れ顔を見るに…すげぇなお前の実直過ぎる性格じゃあそうなっても「黙れ!」っ!」

ライナーは睨み付けた
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