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残酷で美しき世界の中で

第29章 南西へ


ドンドンドンドンドンッ!と大砲が大きな音を立てて火を噴く
そしてその後ろからリコが項を切った
リコは屋根の上を滑りながら巨人を見る

リコ「殺ったか?」

すぐに次の兵士が立体機動で屋根の上に来る

「殺ってますよ、リコ班長!この調子ならこの防衛線も維持できます!」

嬉々と語る兵士にリコはいやと答える

リコ「巨人の恐ろしさは数の力だ。集団で来られたらここも突破されてしまうだろう。ただ…何だろう…何か…」

ハンネス「おかしい…」

壁沿いを走っているハンネスはそう呟く

「ハンネス隊長どうかされましたか?」

ハンネス「今だに1匹も巨人と遭遇しない。壁の穴にはかなり近付いたはずだ。なのに随分と静かじゃねぇか。願わくばこのまま穏やかなままでいかないだろうか…」

ハンネスは静かにそう言った
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