第5章 逆巻レイジ
この長い世界に飽き飽きしていた
持て余すほどの生命
吸血鬼と人間のハーフ
覚醒を経た人間からうまれた私は実験台の為か丁重に扱われてきた
逆巻家に幼い頃から何度も連れていかれる
絶対的な闇の王者カールハインツが率いる逆巻家
いま思えば見合いだったのだろう
そんな策略にまんまとはまった幼い私は逆巻レイジに恋をした
そんなある日世界に異変が起きる
ハーフである私は吸血衝動がこれと言っていいほどない
ただ義務的に出されるタブレットを口にするのみ
今日もいつも通りお兄様としたうレイジお兄様のところへ遊びにきた
実験に夢中になる彼を横目に眠気に襲われる
「あっ んっきもちぃ もっと吸って」
そんな聞きなれない声に目が覚める
霞んだ目が開けてくると兄と慕ってきた大好きな彼が自分とは異なる女性の血を吸っている
「いつかレイジお兄様に吸ってもらうの それまでは大事に取っておくんだ だからお兄様も私以外の吸わないでね?」
「馬鹿なことを」
そう言い続けてきた目の前で繰り広げられる吸血行為にショックを受ける
気付くと部屋を飛び出していた