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【戦国BASARA】*月夜の盃 2*【R18】

第1章 再会の意味




紫乃がいないのだ。

いつもなら心配そうに泣きついて、無茶をするなと怒鳴ってくるはずなのに、その姿がない。


「っ・・・筆頭、すいやせんっ・・・」


孫兵衛の答えに、政宗は凍りついた。

最悪の事態が頭をよぎったのだ。


「・・・っ・・・」

「紫乃も連れ帰ろうとしたんすけどっ・・・殿をやるって聞かなくてっ・・・」

「何人か殿に兵も残りました!・・・紫乃とそいつらが、まだ戻りませんっ・・・」


文七郎と孫兵衛が泣き出すと、堪えていた他の兵も次次としゃくりだした。


「俺たち、筆頭を連れ帰るだけで精一杯でっ・・・紫乃を・・・紫乃を置いてきちまいましたっ・・・」


そんな風に自分たちを責める部下たちを、政宗は責めるつもりなどなかった。

責めるのは、自分だった。


──政宗は崩れ落ちそうな体を起こしきると、そこからさらに立ち上がろうと力を入れた。

良直と佐間助がそれを支えながら止める。


「ま、まだ動いちゃいけませんって、筆頭!」

「傷に障っちまいます!」


そんな忠告は聞き入れなかった。


「・・・馬を持ってこい。摺上原に戻る」

「筆頭っ! 何言ってるんすか!」

「・・・アイツを連れ戻す」

「そんなっ・・・」


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