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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第3章 交錯する想い






「はあー……」

「どうしたの、モモ。ため息なんて吐いちゃって」


収録を終えたRe:valeの楽屋では、百が机に突っ伏して携帯を見つめながら長いため息を吐いていた。そんな様子を気にしているのかいないのか、千は台本を読みながら訊ねた。


「何かあった?」

「ユキ……オレの可愛い零が……夜遊びしてる……」

「夜遊び?あれ、今日零と焼肉行くって言ってなかった?また振られたの?」

「……傷口抉るようなこと言わないで!」

「そうね。ごめんごめん。それで、零は百とのデートを断って夜遊びしてるんだ、百のラビチャを既読無視して」

「……う……わかりやすくストレートに言わないで……」

「それにしても零が夜遊びなんて珍しいね。誰の影響?」

「本当だよー。この前、オレたちの番組に出てた子。えーっと、山南梢ちゃん!」

「?誰だっけ」

「ほら、先週ゲストで来てくれたじゃん!あのふわふわ~ってしててアイドル!って感じのさ!」

「……うん、そんな子いたような気がする。」


千が人の名前を覚えないことなんて、日常茶飯事である。百は再びはあ~とため息を吐いてから、携帯を確認する。零からのラビチャが来ていないことを確かめてから、携帯を机に放り投げた。


「……零なんてもうしらないっ!」

「くく……っ……モモ、恋する乙女だね」


千がくすくすと笑っていれば、百の携帯の着信音が鳴った。
百が慌てて携帯を確認すれば、画面には意外な人物の名前が表示されていた。

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