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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第3章 交錯する想い




百との電話を切れば、丁度梢がこちらに戻ってくるところだった。


「それじゃあ行きましょー!」

『うん!』


やたらとテンションの高い梢と共に、エスカレーターに乗ってスタジオのエントランスへと向かう。そこで、見慣れた人影を視界の端に捉えた。


「――あ!零さん!」


名前を呼ぶ声に、零は目を見開く。反対のエスカレーターに、TRIGGERの三人が乗っていた。こちらに気付いた龍と楽が嬉しそうに手を振っている。零も慌てて手を振り返す。天はというと、大きな目を更に見開いてこちらを見つめていた。


『………(天、どうしたんだろ……驚いたみたいな顔して)』


いつもは絶対目なんて合せない癖に、エスカレーターから乗り出すようにしてこちらを見つめているのだ。


「……早く行きましょ!もうタクシーついてるみたいです!」

『あ……うん!』


梢に腕を引かれ、零は早足でスタジオを後にした。

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