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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第3章 交錯する想い



『お疲れ様ー』


入ってきたのは、パピコを口にくわえている零だった。


「あ、零ねぇ!!」

『陸ー、今日も元気だねぇ』


寮生活にも大分慣れ、今ではIDORiSH7のメンバーたちとも普通に仲良く会話が交わせるようになった。メンバーは未だに緊張しているようだけれど。


「零さんお疲れ様です!!」

「お疲れ様です!!何か飲まれますか!?」

『……いや、あんたたちアイドルでしょ……気使わなくていいからね?それに、私より年上の人もいるんだから、敬語はなしで』

「え……そんな恐れ多い……」

『逆にやりづらいって!』

「OH!零!今日も最高に美しいでーす!!」

『……ナギは馴れ馴れしすぎね!』


零が抱き着いてこようとするナギに呆れていれば、一織が思いついたように口を開いた。


「零さんは、WEB番組などはやったことありますか?」

『WEB番組?んー、ないなぁ』

「ないんですか!?下積み時代も!?」

『うん、ない。一発目の仕事が、Re:valeのMVだったから』


零の言葉に、一同は唖然とする。


「一発目の仕事がRe:valeのMVって……」

「流石すぎて言葉が出ません……」

「零さんを参考にしようと思ったのが間違いでした。彼女は異例中の異例でした」


ずーんと落ち込む面々に、零が眉根を寄せながら椅子に腰掛ける。


『何、WEB番組やるの?』

「はい!宣伝活動になるかな、と思いまして!」


紡の答えに、零はパピコを口にくわえながら、言った。


『じゃあ今日の夜のNEXT Re:valeの収録で、それとなく告知しとくよ』


その唐突すぎる言葉に、六人はぴしゃり、と固まっている。

NEXT Re:valeといえば、ゴールデンの時間帯に放送されているRe:valeがメインMCを、零がサブMCを務めている超人気番組だ。

そんな番組で宣伝なんて、新人の駆け出しアイドルからすれば夢のまた夢のような話である。
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