• テキストサイズ

【進撃の巨人/リヴァイ】君が描くその先に

第5章  幼馴染


「お前、今も絵を描いてるのか?」

 ライデンの声で、はっと過去の思い出から意識を引き戻された。
 だめだ、懐かしい顔に会うと、楽しかった頃の事をつい思い出してしまう。

「描いてるよ。私は、巨人の絵を描くために調査兵団に入ったんだから」

「え…?どういう事だよ…?」

 私の返答に、ライデンは眉を寄せてコトリと首を傾げた。
 私が、兄の遺言を言って聞かせると、ライデンは得心がいったように、神妙な顔をして小さく頷いた。

「変わらないな、ラウラは。だけど、生きてなくちゃ、何も描けないんだからな。
 壁外調査は、生きて帰ってきて初めて一人前だ。絶対に死ぬなよ?」

「うん。ライデンもね」

「こら!俺を誰だと思ってる。もう何度も壁外調査から生きて帰ってきている、歴戦の猛者だぞ」

 神妙だった顔を少し崩して、ライデンが笑う。

「はっ!失礼しましたっ!」

 私も少しおどけて敬礼をしてみせた。
 それを見て笑う彼の笑顔は、今も昔のまま太陽みたいに明るかった。

/ 660ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp