第10章 もう一度
「私は、スケアさんの外見だけが、好きだったわけでは無いんです。
小さな気づかいや、ふとした優しさに触れて、恋に落ちていました。」
最後まで…涙は流さないと決めていたのに
涙が頬を伝っていた。
「ただ…格好いいだけなら…
こんなにもあなたを好きにならなかったと思うんです。」
スケアさんとの共有した短い時間を振り返っていた。
「スケアさんの中身に惹かれていました…。私なんかと、楽しいデートしてくれて、ありがとうございました。」
「……オレは…」
「待って、まだ最後まで聞いて下さい…。」
もう涙がポロポロ地面に落ちていた。
深呼吸をして、最後の言葉を伝える気合いを入れた。
「もう一つだけ、スケアさん、
カカシに伝言してほしい事があるんです。スケアさんはカカシと一番近い人だから、お願いしますね。」
決して願わない事を
私は今から言う。だから半分以上諦めながら伝えていた。