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【M×N】インターホンはお静かに

第6章 サヨナラのあとで


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「二宮くん上手い!」

「そんなことないって」


「ね!もう1曲!」

「いや、もう…いいや、俺」

「え~?じゃ、私と一緒に…」







外とは、気温差のありすぎる狭い室内

普段会ってるクラスメートが、いつもと違って見える

甘ったるい香り

ピンクのグロス



清楚なワンピースやら、
露出度高めの胸元にミニスカート

制服の時とは、イメージが違う




慣れない雰囲気に戸惑いながらも、
無理矢理渡されたマイクで、1曲歌ってみた


……ら、なんか知んねーけどいつの間にか


女子、ふたりに挟まれてるし


愛想笑いを浮かべながら、
落ち着かなくて、喉も渇いてないのにジュースばっか飲んでる



そろそろ帰ろうかなって言い出すのも、
シラケさせそうで、どうしようかと悩んでたら



「そろそろさ?出る?」

「えーー!!」



女子のブーイングを受けながらも、
そう切り出したのはまとめ役の小林

俺の隣にいる子を狙ってるみたいだから、視線が痛かったのなんのって

"ちゃんとわかってるから"って目配せして、立ち上がった


距離感を保ち、
やっと解放されて、店から出る

冷たい空気が頬を撫でて、気持ち良かった




さて、と

こっからどうしよか…と思った視界に


"救世主"と呼ぶべきか
もしかしたら、全く真逆の存在かも知れないけど




「あら?」



ベージュのスーツをビシッと着こなして

長い髪も纏め、品のいいアクセサリーを身に付けてる

控えめなメイクは、
前見た印象よりも、美人に見えた





「お友達?
いいわねぇ」

「まぁ。えっと…仕事中?」

「そう、取引先にちょっと…だけどもう帰るとこよ」



周りの連中が色めき立つ

男子は鼻の下伸びてるし

コノヒトに比べたら、クラスの女子だって

いくらオシャレしてても、子供っぽく映る



……使わない手はないと思った




「綾子さん……じゃ、
これから部屋行ってもいい?」



媚びたような眼差しに、甘えた声で言ってみる


直ぐに状況を察してくれたのか


赤い唇の口角が上がった



「いいわよ。
でも、カズくん?お友達はいいの?」

「うん。俺らもね、
解散するとこだったんだ」



呆然とするクラスメートを尻目に

彼女の鞄を手に取った




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