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裏切りの女神R18G【刀剣乱舞×DOD3】

第5章 裏切りの審神者 ここから本編


「ゼロはあそこだ!殺せ、殺せ、殺せぇぇぇ!!」

大砲を率いた一個小隊の隊長が声を張り上げる。
そして最初の一発を皮切りに、次々と大砲が建物に撃ち込まれた。
彼女がいたとされる部屋は炎に包まれ爆煙を上げる。
これでまた一つ、戦で崩れ落ちた建物が増えた。

「殺ったか?」

立ち込める爆煙の中、彼女の生死は窺えない。
兵士達が崩れていく建物を見上げていると、煙の中から一振りの刀が空を切る。
その速さに、誰もが何が起きたのかわからなかった。

だが、周囲に飛び散る鮮血で、兵士達は隊長の頭に刀が突き刺さったのだと遅れて気が付いた。
そして、その傍らに少女が立ち尽くしていることに。

「裏切り者のゼロだ!!」

はっと我に返った一人が、雄叫びを上げて剣を抜き、つられて全員が剣を手に彼女を取り囲んだ。

「ふっ、あの程度で死ぬわけないってな!!」

ゼロと呼ばれた少女は鼻で笑うと、部隊長に突き刺さった刀を引き抜き、自身の一番近くにいた兵士を一瞬で斬り殺す。
兵士の首が地に落ちるより早く、ゼロと呼ばれた少女は兵士達を次々と斬りつけていった。

「まだまだだよ、人ごときに私は殺せない」

誰も彼女の速さについていけず、気付けば一個小隊全員が物言わぬ死体に成り果てていた。
彼女は刀を一振りし、刀についた血を払い落とす。
ゼロを中心に、大量の死体と血が弧を描いていた。

「ゼロっ!!」

「清光か、遅いぞ」

清光と呼ばれた黒髪の青年がゼロに駆け寄る。
彼は加州清光。
最強にして唯一無二の存在と言われたゼロの刀剣男士だ。

「主役は遅れて登場っていうでしょ?」

「次は置いていくからな。さぁ、審神者を……皆殺しにするぞ」

ゼロは不敵に笑う。
ゼロと加州清光、彼女らにとって長い戦いは、まだ始まったばかりだった。

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