• テキストサイズ

お気に入り 【黒執事】

第7章 タイムリミット


嫌な予感がした。目をくりぬかれる気がした。


「!…」


私はアロイスから離れた。


「え~、どうして逃げるの~?」

「っはぁ…はぁ…。」


フラッシュバックする記憶。私は誰かに目をくりぬかれ、首を絞められていた。


「うわあぁぁっ!!!」

「!…」


アロイスが驚いていた。


「ナツキ。」

「!…」


後ろから手がのびてきて、両目を隠された。


「セバス…チャン…?」


声でわかった。


「はい。」

「あ!クロード!」


クロードもいるのか、アロイスの足音が背後に行くのがわかった。


「はぁ…はぁ…はぁ…。」

「すみません、彼女はお疲れのようです。」


セバスチャンは私の両目から手を離すと、すぐに私を横抱きにした。


「っ…。」


また震えてしまった。


「せ…セバスチャ……。」

「はい。」


セバスチャンの顔を見ると、染められたようになった真っ赤瞳が私を見つめていた。


「私……。」

「今日はお疲れのようです、ゆっくりお休みくださいませ。」


そう言われ、今度は安心感が襲ってきた。いつの間にか、セバスチャンの腕の中で意識を失っていた。

この屋敷に来てから、いろいろなことを知りすぎたみたいだった。


「…ん…っ…。」


目が覚めたとき、眩しくなかった。外は月の光だけで、部屋の中も薄暗かった。


「…」(頭が痛い…。)


あいにく、全部覚えているのだ。叫んだことも、震えていたことも。
/ 246ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp