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お気に入り 【黒執事】

第4章 少しの間


私は、ふとそんな質問をなげかけた。


「…いるよ。」

「家族?」

「いや?もっと大事な人、だよ。」

「…私には、いないよ。」

「…そうかい。」


目は見えないけど、なんか悲しそうな表情をしていたように見えた。


「…ゴメンね、こんな話しちゃって…。もう帰る。」


私はドアノブに手をかけた。


「またね、アンダーテイカー。」

「あぁ、明日は来るのかい?」

「…多分、来れないかも。」

「……そうかい…。」


シュンとしているアンダーテイカー。


「…でもまた、近いうちに来るから。」


私は微笑んだ。そして葬儀屋を出た。


「…さてと、帰らないと…。」


そう思い、歩き始めた時だった。


「随分、仲がよろしいようで?」

「!…せ、セバスチャンさん…。」

「今は2人きりですよ?」

「…」


出てくるのを待っていたセバスチャン。


「…待っててくれたんですか…?」

「ええ。坊ちゃんのご命令で。」

「…そう…ですか…。」

「はい。」


ニコリと微笑むセバスチャン。本当に、悪魔だ。


「…はぁ…。」

「おや、ため息などつかれて、どうかなさいましたか?」

「…セバスチャン…。」

「はい。」

「…私のことが嫌い?」


私は相当疲れているらしい。セバスチャンを困らせるような質問をして、自分から、私から離れてください。と言っているようなものだ。


「いえ、好きですよ?」

「…」(またそうやって…あなたは…。)


頭がボーっとする。気持ち悪い…。視界がぼやける…。


「っ…。」

「!…ナツキ?」


私は歩いている最中、意識を失った。
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