• テキストサイズ

お気に入り 【黒執事】

第4章 少しの間


書斎のドアを開け、清掃を始めた。本棚の上など、台を使って隅々まで掃除する。


「…会いに行こうかな…。」

「誰にですか?」

「わっ…!?」


セバスチャンがいたことに気づかず、私は驚いて体勢を崩してしまった。かなり高い台の上に立っていたので、軽い怪我では済まない。

思いっきり目を瞑るも、痛みを感じない。


「大丈夫ですか?」

「!…」


目を開けると、セバスチャンの顔がすぐ近くにあった。セバスチャンに横抱きで抱かれていた。


「す、すみません…!大丈夫です…!」


急いでセバスチャンから離れる。


「そうですか。お怪我がないようで良かったです。」

「あ、あの…それで…どうかなさいましたか…?」

「あぁ、様子を見に来ただけです。あの人達は…まともにできないようなので、もしかしたら…と思いましたが…余計なお世話でしたね。」


あの人達、というのは多分、他の使用人の人達のことを言っているのだろう。


「それで、誰に会いにいくというのですか?」

「え…えっと…。」


セバスチャンが近づいてくるので、私は1歩ずつ、後ろに下がる。


「…あ…。」


逃げ場がなくなってしまった。


「教えてくださらないのですか?」


1つにまとめた髪の毛を優しく掴み、その髪の口づけをした。


「!…//////」(なんでこの人は…こんなことを簡単に…。)

「おやおや、お顔が真っ赤ですよ?」


こうやってからかわれるのも、何回目だろう。


「かっ、からかわないでください…!//////」

「フフフッ…可愛らしい。」


そしてまた、こうやって言われてしまう。
/ 246ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp