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お気に入り 【黒執事】

第12章 新しい人生


「それじゃあ、もう1度、目を瞑ってくれるかい?」

「う、うん。」


私は目を瞑った。


「もう、魂は戻せないよ?」

「…」

「まだまだ、君が知らない、君の過去があると思うけど、知るのは、また今度だからねぇ〜?」


喋ってはいけないと思い、黙っていた。

そのあとから、記憶がない。


*


「ん…っ…。」

「おはようございます、ナツキ様。」

「!…」


目を覚ますと、セバスチャンの顔が目の前にあった。


「わっ…!?」

「どうやら、魂、戻されたようですね。」

「っ…?」


なんのことかさっぱりわからなかった。そんな事より、随分長く寝ていた気がする。


「失礼いたしました。」


セバスチャンは部屋から出ていった。私は起き上がり、顔を洗い、歯を磨いたあと、メイド服に着替えた。


「…結局、私の過去って…どうなったんだろう。」


知れたのか、知れなかったのか。魂がどうたらこうたら、とか言っていた気がするが、よく覚えていないのだ。
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