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*Forbidden Love*【R18】

第1章 野宮 暖人





「前にも言いましたけど…私、先輩の事なら他の人より解ってるつもりですから!」

「…ふーん?じゃあ俺が今何考えてるか当ててみて」

「……。うるさい私が早くどっか行かないかなって思ってます…?」

「…正解」

「っ…、意地悪!」

「…嘘だよ」

頬を膨らませて抗議してくる彼女に思わず笑みが零れた。
最近はコイツとこんなやり取りをするのも悪くないと思っている。
まだ新しい恋を始める気にはなれないけれど…いつまでも同じ場所に立っていたって何も変わらないから…


(さよなら…千代子さん……)










「先輩、早く早く!」

「ハァ…そんな急がなくたって水族館は逃げねぇよ」


とある休日。
俺は後輩である彼女に誘われ、朝から水族館に付き合わされていた。
まだ恋人同士という訳ではないが、一応これもデートと言えるだろう。


「何言ってるんですか、もうすぐイルカショーが始まっちゃうんですよ!早く場所取りしないと!」

そう急かされ腕を掴まれる。

(ハァ…これじゃあガキのお守りと変わらねーな…)

そう溜め息をついた時だった…


「っ…」

ふと鼻孔を擽った甘い花の香り…
俺の好きだった、"彼女"の香水の匂い…

(千代子さん…?)

俺は条件反射のように辺りをキョロキョロ見回した。
けれど当然、そんな所に彼女の姿は無くて…

(…バカか俺は)

あの香水を使っている人間は、何も彼女だけじゃないだろう。
頭ではそう解っているのに、吹っ切ったはずの想いが再び燻り始める。

(どうして忘れさせてくれないんだ…)



「先輩、どうかしました?」

「悪い…ちょっとトイレ行ってくる」

「えー!早く戻ってきて下さいよー?」

「…ああ」

後輩の彼女から離れ、さっき香水の匂いがした方へと戻る。
こんな所にあの人がいる訳なんてないのに…

それでも確かめずにはいられない。

もし、もう一度彼女に会えたら…

例え何度捨てられたって構わない…

だって俺は…





「…暖人」

「…!」


その時…
あの香りと共に、背後から俺の名を呼ぶ"彼女"の声が聞こえたような気がした…







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