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真選組副長が好きなのは…

第2章 賑やかな屯所


醤油を切らしたのに気づいた時、隣のおばさんに借りずにスーパーへ行ったのは、山崎さんの話を聞いたからというより、神様のお告げだった気すらする。
だからスーパーの自動ドアが開いた瞬間にクラッカーが鳴り、見事30000人目当選を告げるアナウンスを聞いた時、既に私は土方さんにプレゼントが出来る喜びに頬が緩んでいた。
醤油は買いそこねたけど。

真選組の門前で来訪の理由を告げた私を、大袈裟でなく泣きそうな顔で出迎えてくれた山崎さんと、スーパーで渡された招待券なる物と私を前に、土方さんは今まで見た事ないような顔をした。
なんか…瞳孔開いちゃってない?大丈夫?
「え、ちょ、まっ…え…ほ、本当に当たったのかよ」
土方さんは卓上の招待券と私の顔を何度も何度も交互に見る。
照れるからやめてほしい。顔熱い。
山崎さんが私の代わりに説明してくれる。
「ですから副長、当選したさんともう1人のペアチケットなんで、副長を誘ってくれたんですよ」
「いや…で、でもちゃん、他に行く人とかいるだろ。べ、別に俺に気を使わなくてもいいんだぜ」
…江戸中で土方さん以上にマヨリーン好きな人います?それにこんな奇跡みたいな事なくちゃ、土方さんとデートなんて出来ないし。
そんな事を思っていると、突然襖が開いた。
「素直になりやがれ。土方このヤロー。マヨリーンなんかに会いたがるような変態、この江戸中どこを探したって、アンタしかいやせんぜ」
沖田さん、タイミング的にはナイスフォローなんだけど、何でバズーカ構えてるの。
その沖田さんの背後から、今度は近藤局長。「そうだよトシ。せっかくちゃんが誘ってくれたんだよ。これデートだよ。いいなぁ、俺もお妙さんとデートしたいな」
近藤さん、そのフォロー恥ずかし過ぎるからやめて。あとどんな事されたら、そんな大きなタンコブ出来るの。
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