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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第20章 異世界の山







見上げれば焼ける様に照らす太陽に私は遂に彼の世界に到着したのだとある種の感動を覚えた


……しかし………此所は一体何処なのか………

見渡せばどうやら私の立っている場所は民家が建ち並ぶ路地の様だ


吹き抜ける風が髪を拐いその香りに不思議な感覚に陥る

風の香りなんて何処も変わらないと思っていたが異世界の風は知らない香りがしたのだ


彼も私の世界に来た時に風の違いを感じただろうか……
きっと彼が懐かしいと感じる此方の世界の風は新たな出発を果たした私の背中を押した


只まんじりともせず辺りを見渡せば入り組んだ路地の途中に私は立っていた

路地と言っても道幅は狭く路地裏の様な場所らしくレンガ造りの民家らしき建物の隙間から私はどの方向に進むべきなのか早速頭を悩ませていた


闇雲に進むしか方法は無い

しかし闇雲に進んだ結果恐ろしい人に出会い、速攻で殺されるなんて絶対に嫌だ

私は彼に会いに来たのであって死にに来たのでは無い……


振り返れば消えていた扉に恐怖しつつも早く大通りへ出なければと気持ちが焦る

路地裏にはゴロツキが居る……なんて勝手な決め付けだが、まさかスタート地点から避けて通ろうと決めていた細い道だなんて………

確かHUNTER×HUNTERの映画を見た際にボール遊びしていた子供達が理不尽に殺されていたのはこんな道だった……なんて事を思い出せば俄然恐怖心を煽る

まぁ……子供達を殺めたのは愛しい彼だった訳だが……深く考えるのは止めよう………



三方向に伸びる道

どの道を行くべきか悩みながらも一番騒がしそうな道に行こうと耳を澄ませる

騒がしいという事は人が居る可能性が高いし此所が何処なのか国規模で解っていない私には人の助けが必要だと思った


耳を澄まして何と無く人の気配が有りそうな道を行く


耳を澄ませた所で何も聞こえないし結局の所勘頼りだが段々と聞こえ始めた雑踏に心拍数が上がった


………そう言えば人が居るのは良いのだが運悪く極悪人の集会が路地裏で開かれていたとしたら……なんて事が頭を過りリュックサックをぎゅっと握り締めた




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