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【DC】別れても好きな人【番外短編集】

第7章 アンケ夢/降谷零【警察学校時代】


夕方。
ヒロくんたちが明日は休みだから今日は部屋で飲むって話をしていて。
羨ましいと思っていたのが顔に出ていた私に松田さんが、お前も来る?って聞いてきて。
当然だけど、規則違反だと降谷くんが冷たい目で見てくるのをムキになって睨み返した。
…私は、この目が嫌いで。
普段私のことを「ちっこい」って言って名前で呼ばないくせに。
勿論、訓練中は苗字では呼ぶけれど。
私のことを見るときは、いつだって小ばかにしている感じで。
伊達さんがどうどうと動物を宥めるみたいに私たちの間に入って、どうしたい?と訊いてきて。

「一緒に飲みたい…」

そう言った私に4人は笑って、降谷くんだけが冷たい目で見たけれど、笑いあう私たちにこれ以上言っても意味がないと判断して深い深いため息をついた。

「付き合いは長くなったけど、〇〇と飲むの、プライベートでは初めてだな」
「そうだね、サークルの時に何度かくらいかな?でもあの時もあまり話せなかったもんね。あ、でも私ちょっと酔ってヒロくんに電話したことあるよ」
「そうなのか?」

その時は、ヒロくんへの気持ちは多分まだ恋心で。
彼と二人だけの思い出を話す時間が、幸せだった。
安心できるお兄ちゃんのような温かさもあったけれど。


一日のスケジュールが終わり 松田さんからメールが入って、共有フロアに来るように連絡が入る。

「〇〇、おいで」

松田さんと萩原さんがお風呂上りなのか、髪が濡れていて。萩原さんの上着を私の肩に着せ、監視カメラでは男女の区別がつきにくいように頭にタオルをかぶせられた。
男の人の匂い、お風呂上がりの。
廊下は小走りになって。角部屋のみんなの部屋に入った。

「〇〇、顔赤い」
「…なんでもないっ」

タオルと服を取られて、萩原さんに指摘されて。
初めての男の人の部屋。

「みんなは?」
「風呂。俺たちが先に上がったからきたとこ」
「それより部屋、大丈夫なのか?」
「うん、みんなにアリバイ手伝ってもらってるし誰か来ても体調不良で寝ていることになってる」
「なんだかんだうまくやってるよな」
「そうそう、あまり女子といないから心配だなって話をよくしてたんだよ」

そんな心配をかけていたなんて、思ってもみなかった。


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