第15章 翌日の朝
「ま、昨日ね、上層部に
俺とが暮らしている事
言っちゃった。だから、多分もう任務回ってこないかも。」
「…じょうそう…ぶ…」
目を大きく見開いて彼を見たが、カカシは普通だ。
(何だこの温度差は。)
あまりに驚き過ぎて、
私は同じことを言ってしまっている。
(っという事は…)
「いやー、凄ーく、驚いていてね。まあ、喜んでくれてたよ。世継ぎが、何とか、って言ってた。」
あっけらかんと仰ってますがね、それダメなパターン。
「カカシ…早いね、行動が…」
(プレッシャーが…半端ない…)
「今まで全てのお見合いを
断り続けた俺がね、適齢の女性と暮らし始めたんだから、
そりゃあ、大慌てだよね。」
カカシは笑っているが、
確信犯だ。
そうなることを見越したような顔をしている。
「あ、そういや知ってるよね。
街もこの噂で持ちきりなんだってね。」
キラキラ目を輝かせて見つめているが、私は恐怖を感じている。
「カカシ…まさか、最初の居酒屋から、……あ、…」
(…アパート…)
開いた口がふさがらない。
(私が住んでいた、おんぼろアパート…大戦で倒壊しそうだから更地にしたと家主の人が言っていた。間違いない。それを助言したのは…誰?)
「カ、カシ……あなたまさか、最初から…?」
「やだなぁ、
そんなわけないじゃない。」
だが、カカシの目は計画を忠実に遂行したように満足気の顔をしている。
「……執念を感じるんだけど。
なんでそうまでして私を?」
「、俺はね、
手の内の武器は全部使おうと決めてたんだ。ま、もう逃げ場はないね。」
ニコニコ笑ってずっと
私の頭を撫でている。
「一度でも捕まえたら絶対離さないって決めてたんだよ。」
悪魔のようにニッコリ
私を見つめている。