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鬼滅隊の兄と、鬼の姉

第9章 それぞれの任務


「君が生きていたとはな…よもやよもやだ」

体中に衝撃が走り、気づけば私は木に叩きつけられていた。手がビリビリと痺れる感覚がし、叩きつけられた背も痛む。だが、私はよろめきながらも立ち上がった。痛みで歪む視界で炎がちらつく。目の前の炎は人の形をしており、その長い髪を軽く揺らした。

「まぁ、気にしていても仕方がない!! 先代の忘れ形見よ。俺の継子となるがいい。面倒をみてやろう!!」

なんで…なんでこうなった……!!!!

━━━━━

遡ること数日前。色変わりの刀が変化し、兄と微笑みあっていた頃…一羽の烏が飛び込んできた。

「竈門炭治郎ォ北西ノ町へェ向カェェ!! 鬼狩リトシテノォ最初ノ仕事デアル。心シテカカレェェ」

そこでは毎夜少女が消えているらしい。兄は私を見て、私も頷いた。今度こそ、何か手がかりが分かるかもしれない!!

「竈門幸子。オ前ハ本部ヘ参レ!! オ館様ガオ待チだ!!」

「「えっ!?!?」」

しかし、鎹烏が告げたのは兄とは別の仕事…というより呼び出しだった。

「…まぁ、当たり前だろう。兄妹とて一緒に仕事する訳では無い。ただでさえ鬼殺隊は人手が足りないのだから」

驚愕の声をあげる私たちに鱗滝さんはそう告げる。

「何故幸子だけ呼び出されるんだ? それなら俺も一緒に……イタタタッ!!」

「黙レ!! 収集ガカケラレタノハ竈門幸子ダケダ!! オ前ハオ呼ビジャナインダヨ!! ギャハハハ!!!!」

鎹烏は兄の頭をツンツンと啄く。私は慌ててそれを止めようと烏に近づこうとすると、鎹烏は私の方を凄い勢いで向いた。

「本部ノ場所ハ隠ガ知ル。直チニ向カエ」

「……隠…??」

すると、扉が開き来客が入ってきた。その人は黒子装束を纏い、肌が顕になっているのは目元と両手だけ。その人は深々とお辞儀をした。

「竈門幸子殿ですね。お館様のご命令でお連れするように申し付けられて来ました。隠の者です。本日はよろしくお願いいたします」
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