第2章 夢幻の果てに
『そこ』は、とても冷たい場所だった。
四方八方から彼女を見つめるのは………、ヴァンパイアである『彼ら』。
それでも記憶の片隅にもない両親が 優しい笑みで祝福してくれて………。
アズリはヴェールと純白のドレスを見に纏い
父とともに『彼』のもとへとヴァージョンロードを進む。
「『 』………。」
掌を重ね、微笑いかけて。
彼女はふと視線を巡らせて、そして愕然とした。
招待客がみな、倒れていたから。
………しかも血濡れの姿で、だ。
「あなたは………、どうして、」
彼女へと伸ばされる手。愛するあなたが………、どうして。
「やめて―――」