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【黒子のバスケ】ブルーな愛情

第15章 帝光祭



「瑠衣に近づくなよ、菅原」

「校内でそのような行為は控えろ。風紀が乱れる」

「大輝、赤司くん…」


大輝はともかく、どうして赤司くんもここに…?
思わぬ事態に私が茫然としている間に、赤司くんは菅原くんに近づいていった。

赤司くんが微笑みながら何か言うと、菅原くんは目を見開き、そして睨みつけた。


「どこでそれを…」

「僕が知ろうと思えば分からないことなんて無い。バラされたくなかったら退け」


有無を言わせぬ冷たい声色に憎らしそうに顔を歪め、彼は校舎の奥へ消えていった。


「お前何言ったんだよ…」

「お前達は知らなくて良い。僕は先に行くよ」

「あっ、おい赤司!」


赤司くんが足を止めて振り向いたのに大輝は何も言わずに俯いている。
どうしたのかと顔を覗き込めば眉間にしわを寄せていた。

これは、大輝なりの照れ隠し、だよね…?


「…来てくれてサンキュ」


ぼそっと呟かれたそれに赤司くんは一瞬息を飲んだ。
かと思った途端、綺麗な笑みを浮かべた。


「礼には及ばない。僕としても仕事が一つ減って助かった」


本来ならあの程度の忠告では済まさないがな、と付け加え彼も去り、その場に大輝と二人残された。


「何で分かったの?」

「あの窓から菅原見てたらお前がゴミ持って近付いてったから、ヤバいと思って来た」

「…ありがとう」

「おう」


…最近私、大輝に助けてもらってばかりだ。

なんか自分が情けなくなってきた。
みんなに守ってもらってばかりで私は何もしていない。

これは私の問題なんだから。
自分の弱さは自分で克服しないといけないのに。


自分の為にも、みんなの為にも、ちゃんとあの人と向き合わないといけない。





そう決意を固めた私を、大輝が心配そうな目で見ていたことに私は気づかなかった。


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