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【黒子のバスケ】ブルーな愛情

第13章 帰り道


「そこの公園に菅原がいたんだよ」

「…何か言われたの?」

「いや、俺は何も」


ただ、と何か言いかけ、大輝は口を閉じてしまった。
その"ただ"の先を私は言って欲しいのに…。
大輝はいつも、肝心なことは言ってくれない。


「瑠衣、アイツ気をつけろよ」

「えっ…何を今更」

「いや、より一層っていうか、なんか違う意味でも気をつけろ」

「?…意味分からん」


説明が感覚的すぎて、何に気をつければいいのやら。


「よく分かんないけど、大輝こそ気をつけてね」

「あ?何で俺が」

「最近バスケ部のみんなとコソコソしてるから、もし何か大変なことしてるなら、」


本当は、大変なことなんてしないでほしい。
私の為に何かしてくれてること、誕生日パーティーなんかじゃ無いことくらい私だって分かってる。


「私は止められないけど、」


止められないけど、でも


「無理だけはしないでね」


私が好きな大輝は、自由で俺様でわがままだけど、太陽みたいに笑ってる、そんな大輝だから。


…なんてちょっとセンチメンタルな気持ちで伝えたのに、何故か大輝は笑ってる。


「ちょっと!何で笑うの!!」

「くはっ…!お前最高だわ」

「は!?」


顔をくしゃっとさせて太陽みたいに笑った大輝は、私の頭を撫でてきた。


「やっぱお前気をつけなくていーぞ」

「へ、」

「お前のガードは俺がしてやる!」


やっぱり太陽みたいに笑う大輝に、私は一生適わない気がする。
胸が痛くなるような思いに、私は幸せを感じた。


何もかも忘れられる。
大輝さえ笑ってくれれば、私に辛いことなんて無いんじゃないかな。

自分の大袈裟な表現に恥ずかしさを感じるも、それさえ幸せの一つに感じた。


「それじゃあ、よろしくね」

「おう!」





こんなにも傍にいて欲しい人は君だけだ。




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