第33章 第三十二話
それを聞いて、私達は目を大きく見開く。
だって激似って事は六つ子の一人としか考えられない。
ていうかもうそうであって欲しい、お願いします、そうだと言ってください。
だってここまで来てあの二人の情報なんて全くなかったし、十四松は一度会ったけどどっかいっちゃったし……もう出てくるでしょ、さすがに。さすがに。
一松か十四松がここに来てたんだ。
「え!!おじさんそれ本当?!どんなやつ?人生終わってる感じの闇を背負ってるようなキャラだった?それとも今にも宇宙にいっちゃいそうな目の焦点があってない、一見ヤバイ感じのヤツだった?!」
堰を切ったようにトド松が喋って詰め寄って行く。
あの二人の特徴ってそういえばそんなんだったなぁ……。
それにしても同じ顔って言われてるのに酷い事いうもんだぜ。
「猫を探しに来てブラザー達の情報をゲットするとはこれぞまさにディスティニー」
「いや~、良かった良かった!アイツら生きてたかぁ」
「勝手に兄弟殺すなよ!」
兄三人もなんだかんだ言いつつ心配してたのかな?
この反応だけじゃわからないけど。
「んー、そうだなぁ。雰囲気を言われるとどう説明していいか……ただ似ていたという事と、アンタ達がここに来たか訪ねていったくらいかね」
「そ、それいつですか?!」
トド松に同じく、私も詰め寄るように訪ねてしまう。
少し前って事はまだそんなに遠くまで行ってないんじゃないかって思うし。