第29章 【番外編】マツノトクエスト 第二十八話
・
・
・
四人で床に座り込み、チョロ松が今日ここに来た理由をもう一度話してもらい溜息をつく私達。
私はさっきも聞いたけどやっぱ溜息つくよね。
「待って待って、ていう事はチョロ松兄さん……僕らの事裏切ってた、って事だよね? 相変わらず調子がいいって言うか弱肉強食世界に飲み込まれやすいって言うか……はぁ、ダッサー」
「まぁ、攻めてやるなトド松。チョロ松も板挟みになって大変だったんだろう。それにその時はまだ記憶がなかったって言ってるじゃないか、それならばあの超絶可愛いトト子ちゃんの前で反抗するなど至難の業じゃないか?」
何故か二人はチョロ松の持ってきたトト子グッズを大事そうに抱え持ち帰ろうとしている。
お前らはほんとーにトト子が好きだな、どんな姿でも。
「裏切った訳じゃないから! そりゃ、トト子ちゃんの手前トト子ちゃんを裏切るのは気が引けたけどさ……ちゃんとこっちに戻ろうと考えてはいたよ、ホントだよ!?」
慌てて異論を述べるチョロ松はあまり信用できる感じではない。
だってチョロ松だしね。
「んで、続きは私が話すね。私とおそ松は色々盗賊の部屋を漁ったり頭領になんとか会えたんだけど、そこでチョロ松の身柄を捕獲するって言う話を耳にしたの。もうチョロ松には伝えてあるけどね」
「なるほど? 結局の所、魔王側に付くのではなく盗賊は盗賊らしくどこにも属さないと言う事か?」
「うん、そういう事みたい。後ね、もう一個重要な事があって、ホエホエ王国って言う国の密偵がこの団に混ざってて出会ったんだけど……トド松とカラ松は会ってない?」
そうだ、密偵さんは二人に会いに行くと言っていたような気がするけど、今はカラ松とトド松しかいない。
「? 密偵? 会っていないな。何もコンタクトなどとってもいないし」
「ぼくもだよ、ただご飯作るの手伝ってただけだし。初見の顔だから自力で宴会場に行けって他の先輩盗賊にここに置き去りにされただけだったな」
やはり所見の人物はそうなるのか。
おそ松はよく溶け込めたな。