第22章 【番外編】マツノトクエスト 第二十一章
この世界の爺はハゲが多いのか。
サングラスをしていたカラ松だけはあの発光から逃れていたようで、今日ばかりはそのサングラスが羨ましいと思ってしまう。
そう言われたとしても装着したいかと言われたら断固拒否するけど。
クエスト受注の前に男子達の提案でこの村に売っている装備を揃えに行く事になった。
武器も欲しい所だけど、自分のスキルを見ていると覚えるスキルはハリセン技が多い。
それにこのハリセン、どうしようもないとは思うがチート並みに強いイケメンも召喚出来るしレアアイテムという事で武器は買わない事にした。
防具や装備はおそ松達には必要がないらしい、なんたってかなりの防御力があり、その装備は最初からコチラで用意されたいい装備だったから。
「おー、所変われば品も変わりますなぁ! なに選べばいいんだ……やっぱり完全防御重視で甲冑とか買っちゃう?」
「ダサイ!! それに蒸れるし素早さが下がるでしょ? ナス子姉は魔法職に近いステータスだから物理防御が高い装備を買った方がいいとは思うけどさすがに甲冑はないでしょぉ、それ買ったら他人のフリし続けるからねぼくは!」
「そ、そんなぁ……」
モリヌケの街からずっと同じだった、最早このレベルでは低すぎる程の防御力を持つその服を見て、見た目だけは可愛いかなと気に入っていたので脱ぐとなると少し寂しい。
「だよなぁ、俺もさすがにそれなないわぁ。いくら残念で女子っ気の欠片も微塵も感じないナス子でも少しくらいは努力してみて欲しいってもんだよね?! 引き連れてる俺の方が恥ずかしいし!」
「それよりこの甲冑、重量が半端なくあるが……着てみて身動きが出来るかどうかも問題じゃないか?」
正論を叩きつけられてるように感じるのだが、何でさゲームって格好いい装備とかは男専用で可愛いとかセクシー系は女専用になってる仕様なんだろう。
「………うーむ、うーむ」
「あ、ナス子姉これは? 可愛いんじゃない?」
「え、なんか女の子みたいで嫌」
「女だろお前、一応」
はっ、そうだったそうだった。
男性専用、女性専用とか言ってる癖に自分で何言ってんだろ。