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イケメン戦国 短編集 R18

第12章 貴方という存在 (信長×舞) R18 アンケ2位祝SS


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それから一月が経つ頃、安土城では前祝いの宴が開かれていた

(凄い行列……。いつまで続くのかな……)

各国から続々と大名が訪れ、信長様へ祝辞を述べていくのを隣で眺めながら、やはり信長の影響力は絶大なのだと改めて実感する

(天下人になる人の隣にいるのが私で、本当にいいのかな…)

なんだか申し訳ない気持ちになって、舞はスッと立ち上がった

「信長様、少し…外の空気を吸って来ますね。すぐ戻ります」

フワリと笑みを浮かべその場を離れると、舞は城の外が一望できる場所で歩みを止めた

天主より低い場所にあり眺めはかなり違ってみえるが、私には此の位のほうが身の丈に合っているのではないか

そんなことを思いながら外を眺めていると、後ろから名前を呼ばれ、振り返るとそこには知らない男性が立っていた

「舞様…で御座いますよね」

「はい。貴方は……?」

「私は織田家傘下の小国の大名で、名乗る程の者では御座いません。ただ…貴女がとても憂い顔をされていたので、思わず声をかけてしまいました。身の程もわきまえず…御無礼をお許しください」

申し訳なさそうに頭を下げる男に慌てて首を振ると、舞は花のような笑顔を向けた

「お気遣いありがとうございます。優しい方ですね」

「っ、いえ…!!そ、そんな事は……っ」

顔を真っ赤にして舞の言葉を否定するも、あまりの美しさに目を奪われて離せなくなる

ジッと舞を見つめていると、舞の後ろから冷たい声がした

「貴様…何のつもりか知らんが、俺のものに手を出したらどうなるか…わかっているのだろうな」

「の、信長様……!」

信長は青ざめた表情で謝罪する男を一瞥すると、舞を抱き寄せ、そのまま唇を奪った

「っ、ん……っ!」

荒々しい口付けに驚き身を捩るが、きつく抱きしめられ、身動きがとれないまま息ばかりが上がっていく

漸く解放された時、舞はあまりの恥ずかしさから頬を真っ赤に染めていた

「信長様…っ、いきなりこんな……っ」

「誰彼構わず愛想を振りまく貴様が悪い。無防備にも程がある」

眉間に皺を寄せ不機嫌な表情を浮かべる信長に、舞は困ったような嬉しいような複雑な心境になる

(もしかしてヤキモチ、なのかな…?)



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