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イケメン戦国 短編集 R18

第12章 貴方という存在 (信長×舞) R18 アンケ2位祝SS


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私はその時その瞬間が精一杯で、先の事を予見して行動するなんて芸当は持ち合わせていない

信長の優しさが垣間見えて凄く嬉しい反面、やはり自分と信長では生きる世界が違うのだと痛感させられる

そう思うと、胸が酷く苦しくなった

そんな舞の顔を見て、信長は珍しく焦りを滲ませ、舞を腕の中にギュッと閉じ込めた

「っ、信長様?」

「何故、そのような顔をする。貴様にそのような顔をさせたかった訳ではない」

抱きしめる腕がかすかに震えているのがわかる

今、貴方はどんな顔をしているのだろう

顔をあげようとしても、きつく抱きしめられ見上げる事も出来ない

それをもどかしく感じながら、舞は信長の背中にそっと腕を回した

「信長様が時々遠くに感じてしまって…寂しかったんです」

(こんなに傍にいるのに、どんなに手を伸ばしても届かないくらい、遠くに…)

そんな舞の言葉を否定するように、信長は抱きしめている腕の力を緩め、舞の顎をクイッと持ち上げた

熱を孕んだ深紅の瞳に見つめられ、心臓の音が聞こえてしまいそうなくらいに早鐘を打つ

「の、信長様……?」

「貴様が何を考えているのか分からん。何故、この乱世に残った。帰らないと決めた理由は何だ」

「っ、それは………」

唇が触れてしまいそうなくらいの距離で信長の息遣いが頬に触れ、耳までじわりと熱を帯びてゆく

(貴方が好きだから…なんて、言えるわけ、ない)

「理由がないと、残ったらいけませんか…?」


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