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短編集【ONE PIECE】

第6章 爪痕よりも深く※※


邪魔な思考を振り払い、xxxxに集中する。
激しく抱いてしまいたい衝動を抑えて、反応の良い箇所をゆっくりと、優しく攻め続けた。
ベッドの軋む音と粘膜の擦れる音が、xxxxの控えめな嬌声と混じり合う。
何度も跳ねる華奢な身体を抱き締め、重ねた唇で呼吸を奪う。
神経を摩耗させ、心地良い眠りへと誘うために。

「スモ、カ…ッ…もっ…ぅ…」
「…あぁ」

俺の方も限界はとっくに超えていた。
そのまま眠っちまえ、と最後に少しだけ激しく突くと、xxxxは何度目かの絶頂に達して意識を手放す。

xxxxの中で果てた俺は、経験したことのない感情で満たされていた。
堪らず、好きだと零した声が、聞こえていないことを願った。


*


微かな眩しさに目を覚ますと、カーテンの隙間から日が差し込んでいた。
まだ薄暗い外の静けさから、早朝であることが伺える。

俺の腕の中にはxxxxが、静かに寝息を立てて眠っていた。
目を閉じていてさえも、ため息の出る美しさ。
ついさっきまで、xxxxを俺は…と、先の情事を思い出すだけで身体が熱を帯びていく。
同時に、どうしようもない感情に胸が痛んだ。

一夜限りの関係に、一喜一憂するのは無意味だ。
なるべく何も考えないように努め、バスルームへ向かった。


シャワーを浴び終えると、xxxxが半身を起こしていた。

「起こしちまったか」

声をかけると、俺の方に顔を向ける。

「いや、おかげでよく眠れた」

少々気怠そうにしながら髪を掻き上げる様は、それだけで絵になる美しさと色気を放っている。
自分がつけたにも関わらず、首筋に点々と残る赤い痕にドキリとした。

xxxxは簡単に身支度を済ませると、俺の胸にもたれかかり「ありがとう」とだけ言い残し、部屋を出て行った。

抱きしめようとする時間も与えないほど手短に。

その行動は一見薄情にも思えたが、俺との関係を線引きする明確な意思表示で、俺も腑に落ちた。
むしろ、今の立場でできる精一杯の想いが込められていたように思えた。


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