• テキストサイズ

愛してない

第4章 黒い衝動


「はぁっ…!」


軋むベッドの音が部屋に響く


「あはは!可愛いよ…美しいよ…」


「や…めて…っ!」


「んははは!もっと泣いてごらんよ…僕を駆り立ててくれよ…!」



「っ!…は…ぁ…!」



「はははは!これから僕の芸術作品になるんだよ…君は!どうだ?最高だろ?」



「…………」



「あはは!感動して何も言えないのかな?さて、君は…」





女はピアノ線で吊られ、赤いベッドシーツに包まれる




「君は…まるでマリア像のようだ…!美しいよイザベラ!」



イザベラの両腕には抱かれた赤ん坊の人形があった



そして目には黒い涙のあとが残る



「はぁはぁ…美しい…っ…!」



部屋には優雅に流れるレコードが同じフレーズが再生される



「これこそ…僕の欲していた芸術作品…!」




男は吊られたイザベラを見つめうっとりする




「あははは!止まらない…!もっともっと…美しい芸術が…ほしい…!」



男は黒いリップスティックを取り出し壁に書き出す




『もっと愛に触れさせてくれ。もう止まらないんだ…誰か止めてくれよ』





「リリー…ゾーイ…イザベラ…みんな美しい…これこそが愛の形だよ?…君たちは僕に愛されてるんだ。特にリリー…君は特別だよ…ふふふ」




その言葉を残し男はイザベラの部屋から出ていく




部屋にはレコードが流れ続けていた



/ 48ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp