• テキストサイズ

きみに届けるセレナーデ 《気象系BL》

第5章 子守唄


「翔がわかってないと心配だから、一応確認ね?
相葉さんは翔のこと特別な目で見てるよ?」

「え…特別?」

「個人的に食事に誘うくらいだよ?
特別親しくなりたいと思って誘ってんの」

「あの、それって…」

ニノさんは苦笑いをした。

「恋人にしたい、ってこと。
わかってなかったの?」

「相葉さん、皆に優しいから…」

「確かに優しい人だよね。
翔が相葉さんのことを受け入れられるなら、いい相手だとは思うよ?」

相葉さんを受け入れる?
付き合うなら、相葉さんを好きになるってことだよね…

出来るのかな、俺に…

「すみませーん」

「はい、お伺いします。
翔、ここの片付けよろしくね」

「はい…」

お客様に呼ばれ返事をしたニノさんが、俺の肩をポンと叩いて去っていった。

グラスを持ってカウンターの中に戻ると、智はまたあのふたりと笑顔で話していた。

ニノさんは俺のこと気にして見ていてくれたのに…
智は女性客と楽しそうに話してるんだね。

俺が相葉さんとどんな話してるかなんて気に掛けてくれないんだ…
智の距離だったら聞こうと思えば聞こえるよね?

その女の人たちとの会話に夢中で、俺のことなんてどうでもよかった?

俺が困ってるのなんて目に入ってなかった?
それとも俺が相葉さんに食事に誘われても関係ない?

なんだろう…ちょっと寂しいな…

智が助け船を出してくれるなら、どんな理由でも良かった。

さっきあの女性客たちのオーダーを断ったように『まだひよっこ』でもなんでも…

こんな風に智を頼りたくなってしまう俺は、やっぱり子供なのかな…
/ 243ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp