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イケメン戦国短編集

第4章 妹狐と兄武将(豊臣秀吉)


涙を流し続ける忍を見てしばらく考えた秀吉は、
忍に告げた。
秀吉「忍・・・
   腕ほどいてくれないか?」
先ほど秀吉の拘束したひもを、
ほどけという命令だった。
忍は悲しい顔をしたまま、
涙をながしたまま、
そのひもをほどいた。

秀吉は手が自由になると、
忍の頭を二、三回ポンポンと撫でると、
その小さな身体を、
自身の大きな身体に抱き寄せた。
忍「秀吉様・・・?」
秀吉「ごめんな・・・」
忍「私こそごめんなさい・・・
    このことは忘れてください」
秀吉「なんか勘違いしているな・・・
   俺がわびいれているのは、
   気持ちにこたえられないからじゃねーよ・・・」

忍「それって・・・・・・」
秀吉「ずっと妹だって、
   自分に言い聞かせていたんだ。
   あいつの妹だから、
   俺にとってもかわいい妹分だからって。
   でもそれが大事な妹を傷つけたなんて、
   俺はダメな兄だな・・・」
忍「秀吉様は私の兄じゃありません・・・」
秀吉「ああそうだな・・・悪い・・・忍」
忍「はい・・・」
秀吉は忍の名前を呼ぶと、
再びこみあげてきた熱をこらえるように、
なんとか理性を保ちながら、
彼女の前にひざをついた。
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