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ハリー・ポッターと恋に落ちた道化師

第34章 【新たなる出会い】


【親愛なるハリーへ】
 元気かな。この手紙がキングズクロス駅に着く前に届くことを願っている。バックビークも私も無事に身を隠している。しかしもしもの事を考え、隠れている所は教えないでおこう。まだ魔法省が私の事を探し回っていると思うが、ここに居ればまず安心だ。
 近々何人かのマグルに私の姿を目撃させるつもりだ。そうすれば、君への警備は解かれるだろう。

 ついぞ話す機会が無かったが、ファイアボルトとマグルのラジオを贈ったのは私だ――。

「ほら、やっぱり私の言った通り犯人はシリウスだったわ」
「でも、何の呪いもかけられていませんでしたけどね」

 ハーマイオニーが口を出すと、ロンがその時の怒りを思い出したかのように突っぱねた。
 ハリーは先を読んだ。

 ――ファイアボルトは名付け親からの13回分の誕生日プレゼント。ラジオは突然襲い掛かったのに、手当と食料をくれたお詫びとお礼と思って欲しい。それと来年、君のホグワーツでの生活がより楽しくなるようある物を同封した。きっと気に入るはずだ。
 私が必要になったら、いつでも手紙をくれ。きっと君のふくろうが私を見付けるだろう。     ――シリウス――

 PS.良かったらこのふくろうは君の友人のロンが飼ってくれ。ネズミがいなくなったのは私の所為だからな。

「こいつが僕の新しいペット?」

 ロンはチビふくろうにそっと指を差し出した。チビふくろうはロンの指を噛んだ。ほんの挨拶の代わりだったのだろうが、力加減が出来ていなくて、ロンは指から血を出して痛がっていた。これはかなり教育が必要そうだ。
 そんなロンをのん気に横目で見ながら、ハリーは乱暴に封筒をひっくり返した。すると1枚の羊皮紙がひらりと落ちてきた。そこには短くこう書いてあった。

【ダンブルドア校長へ】
 私、シリウス・ブラックは、ハリー・ポッターの名付け親として、ここにホグズミード行きの許可をあたえる。

「やったなハリー、これで君も来年は堂々とホグズミードに行けるぞ!」

 ロンはハリーの肩を組み、指の痛みも忘れてハリーより嬉しそうにはしゃいでみせた。ハリーは未だに信じられないのか、手紙を持ったまま、何度も何度も文面を読み返していた。
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