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ハリー・ポッターと恋に落ちた道化師

第22章 【愚か者】


 そしてブラック襲撃から1週間後、ハグリッドから手紙が来た。短い手紙で、『今日の6時ごろ、お茶を飲みに来ねぇか?俺が迎えに行く。“絶対に”玄関ホールで待つように』と書いてあった。
 ロンは待ってましたと言わんばかりに「きっと先週の事が聞きたいんだ!」と言って喜んだ。しかしハグリッドの話しはそんな事ではなかった。

 ハグリッドが迎えに来ると、4人そろって夕暮れの中ハグリッドの小屋まで歩いていった。小屋に着くと、お茶を入れるハグリッドに向かってロンが「ハグリッド、先週のブラックの件について聞きたいんだろう!」と言ったが、ハグリッドは「もう全部きいとる」と言って流した。ロンは「そう……」と言って残念そうにしていた。

「お前さん方に言いたい事は――ハーマイオニーについてだ」

 4人分のお茶と干しぶどうのマフィンを用意してから、ハグリッドが重い口を開いた。ハーマイオニーの名前を聞くと、ロンとクリスの手がピクリと動いた。

「ハーマイオニーがどうしたの?」
「あの子は今、大変な局面に立たされとる。クリスマス以降、ハーマイオニーはよくここに来て泣いておった。きっと辛くて寂しかったんだ。最初はファイアボルトとラジオの件、それからあの猫の――」
「――あの猫がスキャバーズを食ったんだ!」
「猫が猫らしくしてなんだっちゅうんだ」

 ハグリッドは何とかロンを言い聞かせようとした。

「いいか?あの子は今沢山の事を抱え過ぎちょる。時間をめぇいっぱい使って勉強して、宿題もこなして、そのうえ俺の為にバックビークの裁判の手伝いまでしてくれた。本当に役に立つ資料を見付けて――勝ち目が見えてきたのは全部あの子のお陰だ」

 それを聞いて、3人はバツが悪くなって下を向いた。そう言えば、ラジオやファイアボルトの件で忘れていたが、4人でハグリッドの為にバックビークの裁判を手伝うと約束していたのだ。それをすっかり忘れていた。

「ハグリッド――ごめん、僕達も手伝うって言っていたのに……本当に――」
「なにもお前ぇさん達を責めているわけじゃねぇ」
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