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ハリー・ポッターと恋に落ちた道化師

第21章 【消えたスキャバーズ】


ドラコと無事仲直りをしたクリスは、ハーマイオニーとも仲直りしようと図書館に向かっていた。が、途中でハリーとロンも一緒にハーマイオニーと仲直りした方が良いと思い、談話室に立ち寄った。
 2人ともファイアボルトの件以降ハーマイオニーと仲違いしたままだったし、折角もうすぐ新学期が始まり、同じ教室で授業を受けるのに、気まずい雰囲気の中で授業を受けるのは精神的にも良くないと思ったのだ。
 カドガン卿の肖像画をくぐり、談話室に入ると、ハリーはクディッチのキャプテン、オリバー・ウッドと話をしている最中だった。

「それでハリー、箒はもう注文したのか?」
「それが……色々あってまだなんだ」
「なんだって!?練習は直ぐに始まるんだぞ?流れ星なんかで練習が出来ないだろう」
「ハリーは『ジョン・ドウ』からファイアボルトを貰ったんだよ」

 ロンの一言を聞いて、ウッドは驚きのあまり一瞬固まった。無理もない、ファイアボルトと言えば世界最高峰の箒で、クィディッチをやる者なら1度で良いからお目にかかりたいと言う程の憧れの的だ。ウッドは大きく目を見開いて、ハリーの肩を力いっぱい掴んだ。

「何だって?ファイアボルト!?本当かハリー!!?」
「うん、だけどマクゴナガル先生に没収されて……呪いがかかってないかバラバラにして調べるんだって」
「ファ、ファイアボルトをバラバラに?マクゴナガル先生は何を考えているんだ?」

 ハリーは、自分がシリウス・ブラックに命を狙われている事を打ち明けた。しかし殺人鬼のブラックに命を狙われている事より、ウッドはファイアボルトがバラバラに分解されることの方が重要らしかった。

「俺が話を通す、マクゴナガル先生に直談判してやる!ファイアボルトだぞ、チームにファイアボルトが加われば怖いものなしだ!ファイアボルトの為だ……ファイアボルト……」

 まるで何かに憑りつかれたように、ウッドは談話室を出ていった。これでやっとハリー達と話せると思ったクリスは、宿題をしていたハリーとロンのテーブルに座った。

「やあクリス、その様子だとマフラーは喜んでもらえたみたいだね」
「どうして分かる?」
「そのニヤケた顔みれば誰でも分かるよ。ところでそれはどうしたの?」
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