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ハリー・ポッターと恋に落ちた道化師

第15章 【悪戯仕掛人】


「フレッド君、これを後輩達に説明してあげたまえ」
「了解しました。これはだね、僕らの成功の秘訣でもある。そう、あれは僕らがまだ穢れを知らない幼き頃――」

 それを聞いて、ハリーとクリスが同時にプッと笑い出した。ジョージとフレッドに、穢れを知らない頃なんて、せいぜい赤ん坊の頃くらいしか想像がつかなかった。
 きっとこの2人の事だ、物心付いた頃にはフレッドとジョージは悪戯ばっかりしていたに違いない。間違いなく、ホグワーツに入学する頃にはしょっちゅう悪戯をしていたはずだ。そんな確信が2人の中にはあった。

 2人が笑い出すと、フレッドがパーシーがよくやるみたいに、ピクッと片方の眉を上げた。

「まあ良い、話を続けよう――そう、あれはまだ僕らがうら若き1年生の時、我らはフィルチのご厄介になる事になった」
「皆を笑顔にさせようとクソ爆弾を廊下で爆発させたら、何故かフィルチの事務所までしょっぴかれる事になり――」
「お決まりのセリフをはいたんだ。――厳罰だ!」
「鞭で引っ叩くぞ!」
「脅されて打ち震える僕らは、その時ふとあることに気づいた。書類棚の引き出しに書かれた札に『没収品・特に危険』と書いてあるじゃないか。そして――僕らは行動に出た」
「本当は僕はこんな事をするつもりではなかった。しかし、何故かフレッドがクソ爆弾を爆発させた」
「その隙に――双子ならではの以心伝心とでも言おうか――ジョージが電光石火のごとくその引き出しから飛び出ていた物を引っ張り出した」
「「それが“コレ”と言うわけさ!!」」

 双子特有のステレオボイスに、ハリーはどこかワクワクしていた。いや、クリスですら早くこの羊皮紙が何なのか知りたくて仕方なくなってきていた。フレッドが話しを続けた。

「まあ、フィルチなんかにコイツの素晴らしさは分からなかっただろうしね」
「その点、僕らにはコイツがどんな先生方が束になっても敵わないほど沢山の事を教えてくれた」
「それで?この羊皮紙はいったい何なの!?」
「まあそう焦るな、すぐに分かるよ」
「では、僭越ながら私が使い方を説明させて頂こう」

 ジョージが杖を出して、畳んであった羊皮紙を広げた。
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