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ハリー・ポッターと恋に落ちた道化師

第13章 【グリフィンドール対ハッフルパフ】


「さあ、ついに始まりました!今シーズン初めての試合はグリフィンドール対ハッフルパフです!!」

 実況解説のリー・ジョーダンの声が、マイクで拡声されて聞こえてきた。それでもこの天候の所為でいつもより小さく、おまけに雑音が混じって聞こえる。ロンは双眼鏡を取り出すと、ハリーの姿を見つけようとしたが、なにしろ雨が酷くてレンズが濡れて、すぐ使い物にならなくなった。

「ちょっと待ってて」

 ハーマイオニーがロンの双眼鏡を掴むと、杖を向けて呪文を唱えた。

「インパ―ビアス!はい、これで雨にぬれても大丈夫よ」
「サンキュー、ハーマイオニー」

 ハーマイオニーが防水の呪文をかけてくれたお蔭で、試合が良く見えるようになった。3人は代わる代わる双眼鏡を使い、試合を観戦した。
 リーがグリフィンドールが30点目を入れたと絶叫しているのが聞こえ、クリスはこんな悪天候でもグリフィンドールが勝っていることに安堵した。しかし問題はハリーだった。この強風と雨に揺られて、箒を真っ直ぐに保つことさえ難しそうだった。おまけにハリーは背が一番小さい上に細い。対してハッフルパフのシーカーは背が高く、身体もがっしりしていた。持久戦に持ち込まれたら、グリフィンドールはますます不利になる。

「ハリーの動き、何だかいつもと違くない?」
「ロンってば、当たり前じゃない。ハリーは体重が軽いし、この風と雨で眼鏡が曇って碌に試合が見えないんだわ。――そうだ!!」

 ハーマイオニーは何か思いついたように、観客席からどこかへ行ってしまった。その5分後、丁度タイム・アウト中のグリフィンドールチームの中に、ハーマイオニーが姿を現した。そしてハリーの眼鏡に向かって杖を振ると、また走って観客席に戻ってきた。

「どこに行っていたんだ?」
「ハリーの眼鏡に、この双眼鏡と同じ呪文をかけてきたの。これで眼鏡が邪魔になる事は無いわ」
「流石ハーマイオニー!!」

 ロンは興奮してハーマイオニーに抱きつきそうになったが、何を思ったのか寸前で止まって大人しく試合観戦に戻った。
 ハーマイオニーの魔法が功をなし、視界が良くなったハリーの動きは抜群に良くなった。しかしまだまだ安心とは言えない。
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