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ハリー・ポッターと恋に落ちた道化師

第13章 【グリフィンドール対ハッフルパフ】


「ポッター、授業に5分遅刻した罰としてグリフィンドール5点減点」
「ルーピン先生は?」
「今日は具合が悪く授業に出られないとの事だ。座れ」
「具合が悪いって、病気ですか?」
「座れと言ったのが聞こえなかったのか?グリフィンドール10点減点。さらにもう一度注意させたら50点減点させるぞ」

 ハリーはまだ何か言いたそうだったが、仕方なくゆっくりと席に着いた。スネイプは憎たらしげな眼で生徒全員を見渡した。

「ルーピン先生はこれまでの授業記録を、全く残していない。いったいどんな授業を行っていたのか……」
「先生!これまでやったのはボガート、レッドキャップ、カッパ、グリンデローです」

 咄嗟にハーマイオニーが答えると、スネイプはハーマイオニーを睨みつけた。

「黙りたまえ、教えてくれとは一切言っていない。吾輩はルーピン先生の怠慢を指摘しただけだ」
「怠慢だなんて!ルーピン先生はこれまでで最高の先生です!!」

 たとえスネイプでも、愛しのルーピン先生を貶すのは許せない。クリスがクラス中に響くくらいハッキリそう述べると、スネイプはジッとクリスを見た後、何か言いたそうに口を動かしたが、結局何も言わず教科書に視線を移した。そしてページを後ろの方までめくっていき、誰も手を付けていなさそうな所で手を止めた。

「これから勉強するのは――人狼についてだ」
「でも先生、まだ狼人間をやる予定ではありません。これからやるのは――」
「ミス・グレンジャー。吾輩は君にこれから何をやるのか教えを乞うたかね?」

 スネイプが意地の悪い笑みを浮かべてそう言うと、ハーマイオニーは真っ赤になって下を向いた。毎度のことながら、この虐めには腹が立って仕方がない。ぐぬぬ……と下唇を噛み締めて耐えるクリスをよそに、スネイプは無理矢理授業を進めた。

「諸君、392ページを開きたまえ。さあ、今すぐにだ!!」

 生徒達はぶつくさ文句を言っていたが、全員言われた通り教科書を開いた。これ以上スネイプに逆らっても減点されるのが目に見えている。
 誰も言い返せない状況を作り上げたと知ると、スネイプは意地の悪い目つきでグリフィンドール生達を見た。

「人狼と、本物の狼を見分ける方法を知っている者はいるか?」
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