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君の涙【ヒロアカ】

第4章 形から入る人



 目覚ましがなる前に目が覚める。シャーッと思いっきりカーテンを開ければ、眩しい光が部屋を照らす。窓を開けて大きく息を吸い込むと、僅かな桜と新緑の香りがした。

 パパはまだ寝ている。今のうちに朝ごはんとお弁当を作ろうとエプロンを着る。作ると言ってもあまり料理は得意ではないので、豪華なご飯は作れないけど、せめて自分で出来ることは自分でしたい。

 「おはよう…あれ、がご飯作ってくれるのか?」

 味噌を溶かしてかき混ぜていると、まだ少しねむそうなパパがリビングのドアを開けた。ご飯はいつもパパに作ってもらっていたので、エプロンを着てキッチンに立つ私を見てパパは驚いている。

 『おはよう!いつもパパがしてくれてるから、私も力になれたらって思って。パパのお弁当も勝手に作っちゃったんだけど…』

 何も言わずに作ってしまったが良かっただろうか。前もって聞いておけばよかったと少し反省する。パパはゆっくり近づいてきて、急にマッスルフォームに変身した。激レアなオールマイトのパジャマ姿、いただきました。

 「嬉しいねえっ!が作ってくれた朝食とお弁当、ありがたくいただくよ!!」
 『本当?良かった~…あ、でもパパ。1日にその姿になれる時間決まってるんだから、無闇に使ったら駄目だよ』
 「む。た、確かにそうだな」

 しゅんとトゥルーフォームに戻ったパパは、まいったまいった、と言いながら顔を洗いに行った。今のうちに朝ごはんの盛りつけをしよう。パパが洗面所から戻ってくると同時に朝ごはんをいただく。
 今日は午後にヒーロー基礎学、パパが受け持つ授業がある。内容は流石に教えてくれないが、とても楽しみだ。授業内容もそうだけど、初めてパパが先生をしているところを見れるのだ。楽しみじゃないわけない。チャチャッと洗い物も済ませ、先に家を出たパパを追って雄英高校へ向かった。


 部活動の勧誘をすり抜けて、やっとの思いで教室にたどり着く。部活動なんてあるんだ、と驚いたけど、雄英高校とはいえ高校なので、それもそうかと1人納得する。
 そんなことを考えていると、徐々にクラスメイトが登校してきて、至る所からおはようと言う声が聞こえる。私も挨拶しなくては。

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