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許色【ONE PIECE】

第1章 prologue


海軍本部から七武海の勧誘を受けた私は、白猟のスモーカーによって、マリンフォードへ護送される。

これは、一見異常な事態だった。
つい先日、大将・赤犬と死闘を繰り広げた"麦わらの一味"の龍騎士が、海軍と手を組もうと言うのだ。

何か企んでいる
憑り入って復讐する気だ
麦わらを裏切ったのだ
味方になればこっちのものだ

遠巻きに私を見つめる海兵たちは、この異様な光景に、思うことを口々にした。
彼らが口にするのは、海兵だけでなく、最も一般的な意見だ。


数日後、世間はまた騒ぎになるだろう。
新聞の見出しは"七武海、龍騎士を獲得!"か、"裏切りのxxxx、七武海へ下る!"かもしれない。


そのようなことを悠長に考えながら、私はゆっくりと歩き始めた。
ざわついていた海兵たちはぴたりと静まり返り、船内へと続く桟橋を歩む私から、目を逸らせないでいる。

視線の矢を一身に受けながら、カツンカツンとヒールの音をよく響かせた。

ヒールのように不敵な笑みを浮かべたのは、あの時の実情を忘れないようにするため。
あの日の決意を忘れないようにするため。

そのためになら私は、どんな舞台にも立ってみせよう。
どんな役でも演じてみせよう。

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