第10章 焼肉屋にて
☆「んぁー…人の金で食う焼肉はうんまい♡」
上カルビに牛タン。いつもならあまり頼めないメニューばかり頼む。
「まあなんだかんだ言ってあいつらけっこー持ってたしな!」
☆「けど、あたしの演技にかかればこんなもんよっ!!でもまさか紋土があーなってると思わなかったわ…一応聞くけどもどこから演技??」
「うーんと、急におそわれて薬入れられるまではマジモン。オメーが来てからはずっと演技w」
そう。このふたりは途中までやられた振りをしていたのだ。
☆「だと思ったわ!紋土が薬なんかにやられるとは思ってなかったし…
てか、あたしが来なかったらどうする気だったの!?ぜったいあのままだとやられてたっしょ!?」
「あー確かに…でもオメーがきたから結果オーライだろ。」
脂身が乗った美味しい肉を頬張る2人
☆「紋土って即行動だからそうゆう運がいいのはまじ羨ましいわ…」
「じゃあ、俺からも聞くけどよ…俺を見つけて泣いてたのは演技か?」
(ビクッ)
☆「そ、そりゃあそうよ!あいつらを油断させるためにね!」
(あれは本気で泣いてたなんて言えないっ…)
「へぇー(ニヤニヤ」
☆「あ、あれは、ああやっておけば、か弱いと思って油断させるためなの///」
「あっそ。でも俺はわかってたぜ。本気って。
オメーガチ泣きすっと目がちげーんだ。
嘘泣きだと目が人形みてーに泣くけどよっ」
紋土がクイッとあなたの顎をあげる。
そして真っ直ぐな瞳で見つめる。
「そう。その顔だよ」
あなたの目には涙が。
(あれ。あの時と一緒だ。自分では制御できない。このあついものが奥から出てくる感じ、やだ。こんな顔見せたくないっ)
「…ほらっ。こっち来いよ。」
紋土が手を広げてこっちをみてる
☆「…っ」
(紋土はなんでもお見通しなのかな。)
泣いてる顔が見えないように、抱きつく。
そして涙が枯れるまで、ずっと紋土の腕の中。
「…心配させて、悪かったな。こんなふうに思ってくれてありがとよっ」
☆「ほんっとよ。まじでじんぱいじだんだがらぁ!(まじで心配したんだから)」
「…お前は俺の自慢の彼女だよっ」
☆「あたしも、紋土は自慢の彼氏だよ。」