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裏『探偵』αな女がΩの男達に求愛される話。

第20章 運命の番(過去編)3.5


松田side。

数年経って初めて春枝の本音が聞けたが俺は未だに後悔している。

ーーー。

「もしも…貴方になにかあったなら私は貴方との番を解消致します」
「っ、な…にを…」
「だからどうか…生きてっ」
「っ、春枝…」

ーーー。

11月07日…捜査一課へと脅迫状が届く。観覧車に爆弾が仕掛けられているということでパトカーを走らせ、俺は一つの観覧車へと飛び乗った。そのせいで春枝を傷付ける結果になり、泣かれるとは思わなかった。

+++

3分ありゃ…十分だ。そう思いつつ手馴れた手作業で解体して行く途中で電話が鳴った。女刑事である佐藤か、萩原だろうと思いポケットから携帯を取り出して開いたら違った。珍しい相手に目を見開いて驚いてしまう、きっとこの時は無意識だったのだろうが…俺は春枝の声が聞きたくて、通話ボタンを押して耳元へ押し当てていた。

「もしもし、どうした…春枝」
「、…良かった」
「はっ?」
「あ、ううん…なんでもないです。それで…今どこにいますか?」
「あぁー…観覧車だな」

余り今の状況を公にするのはどうかと思ったが…嘘をついたところで春枝にはきっとバレる気がした為濁しながらに伝えた。すると「観覧車?」と彼女は俺の言葉を繰り返す。そして直ぐにくすりと小さく笑い伝えられた。

「陣平さん…まさか浮気ですか?」
「なんでそうなるんだよ」
「それじゃあ一人でいるんですか、観覧車に…」
「おい、妙な想像をするなよ?……爆発物が観覧車にあったんだよ」
「……それ、本当ですか?」
「あぁ。まぁ…直ぐに解体してやるから、そんなに心配すんな」

不安げな春枝の声に、心配させまいと安心させるような声を発する。だが彼女は未だに俺のことを心配していた為、直ぐに解体し終わったら抱き締めてやらないといけねぇなと解体作業を進めた。

その時、爆発物からメッセージが届いたーー…

「ねぇ、陣平さん…聞いて欲しいことがあるんですけど」
「悪い…面倒なことが起きた、切るぞ」
「……死ぬなんて止めて下さいね。貴方は人一倍正義感が強いし無茶をなさるから心配なんですよ」
「……っ、なんで分かるんだよ…俺が今からやろうとしてること」
「なんとなくですよ…ただ好きな運命のことならなんだって分かりますし、いつでも助けになりますとも」
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