第2章 中編 古代都市シャンドラ
数日後。
シャンクスは予定通り遺跡へと向かった。
久々に出る城外は、無残にも荒れ果てたものだった。
草花は枯れ果て、動物や人の死骸がいたる場所に転がっている。
それもこれも、各国が化学兵器に手を出し始めたせいだ。
シャンクスはその光景に眉をひそめると、目的の場所へと足を進めた。
ここから遺跡の場所までは、早くても一週間はかかる。
その間この光景が続くと思うと、気分が重くなった。
…ルフィは、連れて来なくて正解だったな。
汚染された空気を吸わないようマスクとフードを深く被りなおすと、シャンクスはそっとため息を吐いた。
シャンドラの国土はもともと今の10倍ほどあったが、どれも他国の侵略を伏せきれず、支配されてしまった。
そして奪い取られた国土は、今は見るも無残な姿に成り代わっている。
汚染されたこの大地で再び生活できる日は来るのだろうか。
…ったく、奪うんならもっと大事に扱えよな
本来は守れなかった己の力不足を悔やむべきなのだろう。
もちろんそれは、幾度となく悔やんで来た。
だが、この荒れ果てた大地を見るたびに、この無駄な戦争を早く終わらせねばと思うのだ。
1つの国が新たな兵器に手を出すと、他国も揃って真似をし始める。
それは、最終的には防衛のためなのだろうが、その結果がこの荒れ果てた大地だと思うと、正しいとは思えなかった。
兵器と呼ばれる代物は、使い方1つで多くの命を救う事にもなれば奪う事にもなる。
だから、21か国の内20の国が命を奪うために使うなら、残り1の国は救うために使ってやろうと思ったのだ。
シャンクスはそう決断した時から、ずっと古代兵器を探していた。
それが存在するとも分からなし、扱えるかも分からない。
だがこの世界を変えるためには、それ相応の力が必要になる。
果たしてその考えは正しいのか。
それは、やってみた者しか分からなかった。